第3章 ムーンブルクの白馬の翁爺さま ホッホ
ヒロインが終始出ずっぱりでいてくれるモンゾーラ、百花繚乱よりどりみどり選びたい放題のオッカムルに比べてなんともイケメンに乏しいのがこのムーンブルク。
そもそも、ムーンブルク編は話が重いうえに元が王女の国なのでまあ役回りからしてなんでもかんでも女性上位だ。
男は次から次へと死んで消えていくし、魔物だったり裏切り者だったりして結局死ぬし、強い兵士といえばアネッサとゼセル。女性なのである。
最初から居る男性としてはムーンブルク王が居るのだが少々惜しい。トランプ柄はあまり好みではないのだ。(個人の主観です)
ジロームもしかり。
そうなると、ムーンブルク編唯一の癒やしはミトの祖父であるホッホの登場を待たねばならない。
ホッホの登場はかなり遅いうえに、絡みも堅苦しいので美味しい記念写真が本当に撮れない。
これは困った。
ネタにもならない立ち画ばかりだが、今回はこれで許していただくしかないだろう。
ホッホとの出会いは敵船の船底。
変化の杖という超重要アイテムをくれるのだが、この変化の杖、爺にも変身できるというのに、その爺がホッホ仕様ではなくジローム仕様なのだ。
それが非常に残念だ。
ホッホに化けることができるのであれば、パーティメンバー全員でホッホに化身してわちゃわちゃすることもできたかもしれないというのに……。
ホッホがイケメンたるゆえんは、綺麗なまんまる頭と若さを失っていない力強い目、立派な鼻と七難隠す白いもふもふにあると言えよう。
これらがバランス良く補い合うことで、ミトという年頃の孫を持つ年齢でありながらも端正な容姿を確保し続けて居られるようだ。
が、表情が加わると、やはり歳相応と思われる容姿になったりもする。
特ににっこりと微笑むと、途端に、縁側のおじいちゃんになる。
なにぶん、この島では貴重なお相手候補なので、僕としても必死に本をめくってホッホに認められようと猛アピール。
しかし、思わぬところから、ライバルが現れた。
ムーンブルク王がホッホに急接近!
どうしよう!? とりあえずかわきのつぼの水でもぶっかけてみるか?
ムーンブルク王、いてつく城内で凍死。
さすがにかわいそうだから、第二候補だったモブ農民さんを隣に並べてあげよう。
ところで、この農民さんだったか、そっくりな兵士さんだったか、僕に付いていれば良いのにシドーになんか憧れちゃったりするものだから……。
ムーンペタの雪原で凍死。(床オ○ではない)
惜しい人を亡くした。
ホッホにしてもゲンローワにしても、普段はあーでもないこーでもないと小難しい理屈をこねこねしている爺さんなのだが、自分の力ではどうしようもない事象にぶち当たったときにぽろっと弱さを垣間見せる。
「しかし…。 いざ 真実を 目の当たりにすると なかなか こたえるものがあるのう…。」
ホッホが幻として消えかけているときの弱音である。
これが、僕も弱い立場だったらイラつくだけなのかもしれないが、なにぶん、ゲームの中では僕こそがホッホを助けられるユアスイートハニーなので、とても可愛く見えるのである。
「ホッホ、こっちにおいで」
「ほっほっほ! そのようす! おぬしのことじゃ なにか 思いつきそうじゃの!」
ホッホはやっぱり、いつでも、ほっほっほ! と微笑んでいないと、ね。
「さあ、僕のうでのなかへ、おだやかに包まれると良い……」
ホッホは少し考えて、それからずいっと、僕の胸に飛び込んできた。
「孫よりも若い子ができたら、かなりややこしいことになるが、まあ、おぬしとなら、良いかのう」
ホッホに若い瞳が蘇ってきた。
孫娘のミトも、ホッホの若返りを間近で見て、嬉しそうである。
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